仕事がうまくいかないときに見直したい、9タイプ別・手放すべき思い込み

仕事がうまくいかないときに見直したい、9タイプ別・手放すべき思い込み

― 9タイプ別「成長を妨げるブロック」に気づく ―

「なぜ、がんばっているのに仕事がうまくいかないのか?」

そんなふうに感じたことはありませんか?

誰しも、自分なりに真剣に働いているのに、思うように評価されなかったり、人間関係で行き詰まったりすることがあります。その背景には、私たちが無意識に抱えている「思い込み」や「行動パターン」が影響していることがあります。

この記事では、エニアグラムにおける9つの性格タイプそれぞれが持ちやすい「手放すべき思い込み」と、その背後にある恐れについて解説します。それを理解することで、自己否定ではなく、気づきと成長につながるヒントが見つかるはずです。

あなた自身の「思い込み」に気づくことが、仕事や人生の転機になるかもしれません。

自分のタイプがわからない方はこちらも参考に!
エニアグラム9タイプの特徴と性格の違いを早わかり解説

エニアグラムで見る「手放すべき思い込み」

タイプ1:完璧であらねばという義務感

  • ブロック:「正しくなければならない」「間違いは許されない」
  • 成長のヒント:完璧でなくても、他人の信頼は得られる。柔軟さが可能性を広げてくれます。

タイプ1は、「間違ってはならない」「正しくあるべき」という信念を持ちやすいタイプです。その背景には、「自分には欠陥があるのではないか」という根源的な恐れが存在しています。この恐れを打ち消すように、常に高い理想や倫理観に基づいて行動しようとします。

そのため、仕事でも「ルールを守る」「完璧に仕上げる」「ミスをしない」といった点に強くこだわります。誠実で責任感があり、周囲から信頼されやすい一方で、自分や他人の小さなミスに厳しくなり、融通の利かない態度になってしまうことも。

しかし、仕事には変化や不確実さがつきもの。すべてを完璧にコントロールすることは不可能です。むしろ、失敗や柔軟な対応の中にこそ、学びや成長のチャンスがあります。

まわりの人は、あなたの姿勢や努力をちゃんと見ています。時には「80点でもいい」と思える余白を持つことで、視野が広がり、チームとの連携もうまくいくでしょう。自分の基準を少しゆるめてみることで、新たな信頼関係や達成感が得られるかもしれません。

タイプ2:誰かのために動かなければ価値がない

  • ブロック:「助けないと愛されない」「自分のニーズは後回し」
  • 成長のヒント:自分の気持ちを大切にすることも、人と深くつながる第一歩です。

タイプ2は、誰かの役に立つことで自分の価値を感じる傾向があります。その根底には「愛されるには、与え続けなければならない」「役に立たない自分には価値がない」といった思い込みがあり、それが行動の動機になっています。

仕事でも「助けてあげたい」「気づかれないうちにフォローしたい」と自発的に動くことが多く、職場の潤滑油として重宝される存在です。しかし、自分のことよりも他人を優先しすぎるあまり、心身のエネルギーが枯渇したり、「こんなにやっているのに感謝されない」と不満をため込んでしまうことも。

まずは「頼まれていないことを背負いすぎていないか?」と立ち止まってみることが大切です。与えることは素晴らしいですが、「自分がどうありたいか」にも目を向けて、自分のケアを忘れないこと。それによって、より健やかで長期的な人間関係が築けるようになるでしょう。

タイプ3:成果がすべて

  • ブロック:「評価されなければ意味がない」「結果を出し続けなければ」
  • 成長のヒント:肩書や成果がなくても、あなた自身には価値がある。立ち止まる時間も必要です。

タイプ3は「成果によって価値が決まる」という信念を抱きがちです。その根には「自分自身には価値がないのではないか。だから成功しなければならない」という深い不安があります。

そのため、目標達成への意欲が強く、実行力も高く、職場では頼れる存在として活躍します。ただし、「結果がすべて」という意識が強くなりすぎると、過剰な競争心や、自分の感情を無視した無理な努力に繋がり、心が消耗してしまいます。

本当の意味での成長とは、他人からの評価だけでなく、「自分がどう感じているか」に気づくことから始まります。ときには立ち止まり、「いまの自分にとって、何が大事なのか?」を問い直すことが、より深い満足感と自分らしい生き方につながるはずです。

タイプ4:特別でなければならない

  • ブロック:「自分だけが分かってもらえない」「普通ではダメ」
  • 成長のヒント:共感を求めすぎず、「今ここ」にある現実を味わうことで心が整います。

タイプ4は「自分はどこか普通じゃない」「本当の自分は理解されないかもしれない」という感覚を抱えがちです。そのため、「本当の自分」であろうとする強い願いがあり、深い感受性や創造性を発揮するタイプです。

しかし、理想と現実のギャップに苦しみやすく、「こんな仕事、自分らしくない」と不満をためたり、他人の長所を羨んで自分を否定してしまうこともあります。

成長の鍵は、「いま、ここにあるものに価値を見いだす」こと。他人と比べるのではなく、自分が持っている資質に目を向け、少しずつ現実に根を張っていくことで、あなたならではの貢献ができるようになります。感情の波も含めて、自分自身をまるごと受け入れる姿勢が、周囲との信頼関係を築いてくれるでしょう。

タイプ5:十分な知識と準備がないと不安

  • ブロック:「まだ足りない」「自分の内に閉じていたほうが安全」
  • 成長のヒント:外に出て経験することでしか得られない実感があります。

タイプ5は「知識があれば、安心していられる」という思い込みを持ちやすく、冷静で思慮深く、専門性を大切にするタイプです。その背景には「人と関わりすぎると自分のエネルギーが奪われてしまう」という不安感があります。

そのため、仕事では自分の領域を守ろうと距離を置いたり、実践よりも知識の習得に力を入れすぎたりする傾向があります。結果として、行動のタイミングを逃したり、「関わりにくい人」と誤解されることも。

成長のためには、「情報だけで安心しようとしない」こと。知識は行動の土台でしかなく、実際に体験し、人と関わって初めて本当の意味での理解が深まります。怖さがあっても、まず一歩を踏み出してみることが、あなたの世界を大きく広げてくれるでしょう。

タイプ6:不安に備えておかなければ

  • ブロック:「最悪の事態に備えなければ」「疑ってかからなければ危ない」
  • 成長のヒント:信頼できる関係や環境に一歩身を委ねると、新しい安定が見えてきます。

タイプ6は「備えがなければ危険」「何か悪いことが起こるかもしれない」という不安を持ちやすいタイプです。そのため、先回りしてリスクを想定し、忠誠心と責任感をもって組織を支える役割を担います。

しかし、その慎重さが裏目に出ると、過剰な心配や疑念にとらわれたり、「このままでいいのか」と考えすぎて動けなくなってしまうこともあります。

成長のヒントは、「自分の中にも信頼できる感覚がある」と認めること。すべてに保証を求めるのではなく、「やってみないと分からないけれど、信じて進んでみる」ことが、自信の芽になります。周囲の信頼も、自分を信じるところから始まります。

タイプ7:楽しくなければ意味がない

  • ブロック:「退屈や痛みからは逃げたい」「もっと刺激を」
  • 成長のヒント:つらさの中にも大切な学びがあります。落ち着いて深めることが力になります。

タイプ7は、「楽しいことがあれば人生はうまくいく」「苦しみにフォーカスしたくない」という傾向があり、明るく前向きなエネルギーを持つタイプです。その一方で、つらい感情や不満を感じると、すぐに別の選択肢に気持ちを向けてしまいがちです。

仕事でも、アイデア力や柔軟な発想が強みになりますが、飽きっぽさや責任の回避といった形で現れることも。深く掘り下げる前に次に行ってしまうと、自己信頼が育ちにくくなります。

「嫌なことにも少しずつ目を向ける」「最後までやり遂げてみる」経験を重ねることが、真の満足感や成長をもたらします。すべての体験があなたの人生を豊かにしてくれる。その実感が、さらに自由な未来を創る力になります。

タイプ8:強くなければ生きていけない

  • ブロック:「弱さは見せるべきでない」「主導権を握らねば」
  • 成長のヒント:柔らかさは無力ではありません。信頼を築くには、安心感が鍵になります。

タイプ8は「弱さを見せると利用されるかもしれない」「主導権を持っていないと危険」という感覚を抱きがちです。そのため、自立心が強く、責任を引き受けてでも物事を前に進めようとするパワフルさを持っています。

ただし、自分の弱さを隠すあまり、他者との距離ができたり、強引に映ってしまうこともあります。「自分でなんとかする」が習慣になりすぎて、人の助けを借りることが苦手になるケースも。

成長のためには、「信頼して任せてみる」こと。そして、「弱さを見せても、あなたの価値は損なわれない」と知ること。他人に心を開く勇気が、あなた自身をもっと自由にし、チームとしての成果にもつながっていきます。

タイプ9:波風立てずに調和を保つべき

  • ブロック:「自分の意見で争いたくない」「面倒なことは避けたい」
  • 成長のヒント:あなたの本音がチームを前に進めます。自分を後回しにしすぎないで。

タイプ9は「自分の意見が対立を生むのではないか」「波風を立てたくない」という不安から、自分の気持ちを後回しにすることがあります。周囲に合わせる力が高く、職場では調和を生む存在です。

しかし、「言わない」「我慢する」が積み重なると、自分の本音を見失ってしまい、何をしたいか分からなくなったり、無気力に陥ることもあります。

大切なのは、「自分にも意見を持つ権利がある」と思い出すこと。小さな自己主張でも大丈夫。「こうしたい」「これはイヤ」と言葉にすることで、存在感が生まれ、周囲との関係もより健全になります。あなたの声が、組織に安心と芯をもたらすのです。

気づくことで、人は変われる

誰もが、自分なりのやり方で一生懸命に生きています。

でももし、「うまくいかない」と感じているなら、それはあなたの価値が足りないのではなく、これまでを支えてきた思い込みを見直してみるタイミングなのかもしれません。

気づいたその瞬間から、成長は始まります。

あなたらしい働き方と生き方が、ここからまた育っていくことを願っています。

自分の性格の「根っこ」に気づくと、生き方も変わっていく。

もしこの記事を読んで、「もっと自分を知りたい」「自分の思い込みを手放したい」と感じた方は、あなただけの気質に合わせた対話型セッションで、深く自分を見つめてみませんか?

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ABOUT US
みずさゆ産業カウンセラー | 社会保険労務士
「9タイプ気質診断」(エニアグラム)を通じて、あなたの本質に触れるお手伝いをしています。 産業カウンセラー・社会保険労務士として、企業の社外相談室で多くの方の悩みや変化に寄り添ってきました。 かつて自分自身も“迷う側”だったからこそ、今はナビゲーターとして伴走できる――そんな思いで活動しています。