エニアラボは、人生の満足度を高め、幸せに過ごす秘訣は人間関係力だと考えています。
人間関係力が高い人はこのような人です。
- 人間関係から癒しや安心を得ています
- 力を合わせて高い生産性を発揮します
- 自責と他責のバランスがとれており、自分の成長に責任を持ちます
- 心の感度が高く、自分の気持ちを正確に掴んでいます
- 相手の視点を尊重し、共感的で親切です
- 情緒が安定して機嫌がよく、自然とまわりに人が集まっていきます
こんな人だったら一緒に働きたいし、家族になりたいし、親だったらいいなと思える人です。
では、人間関係力を高めるのには、具体的にどうしたらいいのでしょうか。本記事では人間関係力を構成する3つの力について解説します。
- 心の動きを正確につかむ力
- 反応をコントロールする力
- 他者を理解し、冷静に対処する力
3つの心に力について具体的に紹介します。
心の動きを正確につかむ力
私たちの性格には、二つの要素が関係しています。それは、「生まれ持った気質」と「生まれ育った環境」です。それらの影響を強く受けるために、同じ状況に遭っても、人によって心の反応の仕方が異なります。

気質の影響
例えば、からかわれたとき、怒りを抱く人もいれば恥ずかしさを感じる人もいます。その怒りをすぐ表情や態度に表す人もいれば、腹の中にため込む人もいます。
このような反応の仕方の違いは、気質の影響を大きく受けています。
環境の影響
気質の特徴は、育った環境によって強められたり、弱められたりします。
例えば、傷つきやすい気質であっても、過去の傷ついた経験を胸に秘めている人と、解消している人とでは、傷つきやすさの程度が異なります。
私たちの思い込みや、信念、バイアスは環境によって強化されていきます。
そのため、自分がどのような思い込みを持ち、それがどのように育まれたのかを知ることは、自分を客観視し冷静でバランスの取れた見方を持つのに役立ちます。
心の感度
また、気質や環境の影響によって、心の感度が高まったり鈍ったりします。
心の動きを正確につかむ力は、「いま、自分はどう思ったかな」と繰り返し問い、それを表現しする中で磨かれていきます。
そのため、もしあなたが、自分の考えていることがよくわからない、人の言葉に影響されすぎてしまう、という場合は、感情を掴む力に制限がかかってしまっている状態です。
長い間本心を封印して生きていると、自分の感情が表面に浮かび上がってこなくなり、掴めなくなるからです。

本当に手に入れたいことは何なのか。何を願うのか。どんな仕事に就いたら充実するのか。どんな人と結婚したら幸せになるのか。独身でいるほうが幸せなのか。
このようなあなたの幸せに直結する重要な問いの答えは、あなたの心の中にしかありません。
心の動きを正確に掴めていないと、決定的に嫌なことであっても合理化して自分にYESと言い聞かせ我慢し続ける、という不幸な人生を歩むことにもなりかねないのです。
そのため、心の動きを正確に掴む力は、人生全体の満足度を左右する基盤となります。
反応をコントロールする力
人は生まれ持った気質に応じて、感じ方、考え方、伝え方のクセという一定の反応パターンを持っています。
この一定の反応パターンが誤作動しているときに、性格の悩みやコミュニケーション上の悩みを引き起こします。
エニアラボでは、気質を理解するためにエニアグラムという性格類型論を用います。
エニアグラムは2500年以上前から現代へと受け継がれ、1970年に米国スタンフォード大学で体系化されました。米国ではGoogleやAmazonなど有名企業が採用しており、組織内の相互理解を深めるツールとして効果を証明しています。
エニアグラムは、人間の恐れと動機に注目し、9つに分類しました。
- 完璧でないと生きていけない
- ありのままの自分は愛されない
- 自分には存在価値がない
- 自分には存在意義がない
- 社会で生き抜く能力がない
- 支えがないと生きていけない
- 満たされないと生きていけない
- コントロールされ、攻撃される
- 社会とつながりがない
9種9様の恐れがあり、物の見方があり、感情反応、思考プロセス、行動の仕方の一定の反応パターンがあります。
私たちは自分の物の見方がすべてであり、正しいと思いますが、他の人は自分とは異なる物の見方や反応の仕方をしています。
自分のタイプを知り、その特徴的な感情反応、思考プロセス、行動の仕方を知ることで、自分のこをより深く理解することができます。
気質が促す現実への対処の仕方は、望む結果を得るための最善策ではないという特徴があります。

例えば、「完璧でないと生きていけない」という恐れを持つ人は、努力家で理想主義です。
それ自体は素晴らしいことですが、時として行き過ぎ、どれもこれも「こうでなければならない」という脳内の声に囚われはじめます。
しかし、現実には不測の事態はつきもので、すべてが完璧になることはありえません。
そのため、完璧を目指せば目指すほど、欠陥や至らぬ点が目に付くようになり、些細なことにもこだわるようになって、全体的なバランスを欠いていきます。
それは気質の罠に完全にはまり、制御を失っている状態です。
ではどうしたらいいかというと、この方は完璧の追求ではなく、むしろ完璧でない自分や他人を進んで許す、ここまでで十分だ、という意識を持つことが重要です。
そうすることで、「こうでなければならない」という針の孔を通すような視点から「そうでなくてもいいか」「しょうがない」という心のゆとりができてきます。

結果的に、完璧さの追求に緩急をつけられるようになるのでパフォーマンスが上がり、苛立ちも感じにくくなります。
このように生まれ持った気質を理解し、気質の持つ罠を知り、必要に応じて修正していくことで、感じ方、考え方、伝え方のクセをコントロールする力が身につきます。
変えられるものを変える勇気を、変えられないものを受け入れる冷静さを、そして両者を識別する知恵を与えたまえ(ニーバーの祈り)
他者の視点を理解し、冷静に対処する力
他者との人間関係は大きな感動や豊かさも与えてくれますが、悩みもつきものです。
それは私たちが自分の物の見方しか知らず、お互いを理解できず、相手をおかしいと思い、腹を立て、心が波立つからです。
人間関係に悩むとき、「相手がもっとこうしてくれたら」「あの人はおかしい」と私たちは思います。本当におかしいこともあるかもしれません。
でも、自分以外の人間を変えることができないのは事実です。
他人を変えることはできない中で、無駄に反応せずに、心の安定を維持するためにはどうしたらいいでしょうか。
それは、相手の物の見方を理解することです。

まわりの人の性格タイプを知り、そのタイプの感じ方、考え方、伝え方のクセを知ると、適切な付き合い方や距離の取り方がわかります。
また、相手の価値観を理解することで、相手の言い分も理解できるようになるので、意見の相違や思い通りにならないことがあっても、以前ほどは腹が立たなくなります。
「この人はこういう物の見方をしているのだから、仕方がないか」と思えるようになり、自分にできる範囲でアプローチの仕方を変えるという工夫ができるようになります。
これは親子、夫婦、職場の上司部下など、切っても切れない、うまくやらないといけない関係の対策に特に有効です。
ここまで、人間関係力を構成する3つの心の力を説明しました。
- 心の動きを正確につかむ力
- 感じ方、考え方、伝え方のクセをコントロールする力
- 他者の視点を理解し、冷静に対処する力
この3つの力を伸ばしていくことで、人間関係力が高まります。
人間関係力を高める取り組みはあなたの幸福度の向上に大きく役立ちます。