コミュニケーションに悩んでいるあなたへ

sunglass

コミュニケーションがうまくいかない、と悩んだことはありませんか?

9つの気質タイプは、それぞれ独自のコミュニケーションスタイルや世界観を持っています。

気質タイプは、情報の選択や解釈の方法に影響を与えます。

メッセージを発する側はその人なりの世界観で話し、受け取る側もその人なりの世界観で解釈します。

だから、コミュニケーションがすれ違うのですね。

それはさながら、それぞれ異なる色のサングラスをかけて、同じ光景について話し合うようなものです。

赤いサングラスをかけた人と青いサングラスをかけた人では、対象の色はまったく異なって見えます。

この記事を読むと、9つの気質タイプのコミュニケーションスタイルとアドバイスがわかります。

長いと感じる方は気になるタイプのところだけでも、読んでみてくださいね。

コミュニケーションは難しい

二人以上の人間が関わると必ずコミュニケーションが発生します。

意見を出し合ったり、要求を伝えたり、仕事を円滑に進めるのには不可欠ですし、恋愛だってコミュニケーションが成立してこそはじまるものです。

「コミュニケーションがうまくいかない」という多くの場合、それは効果的なコミュニケーションを取れていないことを意味しています。

このような状況で起きているのは、相手が期待したことを汲み取ってくれないとか、予想したような反応をしないというフラストレーションです。

言葉以外のコミュニケーション

ここだけの話

メタメッセージ

どんな言葉を発するときでも、それは言葉が持つ意味以上のものを伝えます。

どのような文脈で発せられたのか。

どのような声のトーンか、スピードは速いか遅いか。

落ち着いているか焦っているか、どのような表情か、身体の向きはどうか。

敬語か、タメ口か、方言か。

テキストメッセージであっても、返信が速いか遅いかでも印象は変わります。

私たちは状況や相手の様子を総合評価して、相手の言葉の真の意味や心理、要求、状況などを解釈します。

このように、発話と同時に、意識的もしくは無意識的に相手に伝わるメッセージをメタメッセージといいます。

メタメッセージの例
  • 部屋に入り「寒いね」と言う
    →部屋の温度を上げてほしい
  • 早口で説明する
    →急いでいる。手短に済ませたい
  • 耳元でひそひそ話す
    →あなただけに伝えたい

メタメッセージには送り手の意識(もしくは無意識)と受け手の解釈が相互に作用します。

「そんなつもりじゃなかったのに」と誤解が生まれるときは、メッセージの送り手と受け手の解釈の仕方に違いがあるのです。

メラビアンの法則

メラビアンの法則

言葉以外の情報がいかに相手の解釈に影響を与えるかについて、アメリカ心理学者のアルバート・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」もあります。

「メラビアンの法則」では、コミュニケ―ションに影響を与える情報の割合は、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%としています。

聴覚と視覚をまとめて、言語が7%、非言語が93%とも言われますね。

メラビアンの法則「7-38-55のルール」
  • コミュニケ―ションに影響を与える情報の割合は、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%
  • 言語と非言語情報が矛盾している場合、視覚情報>聴覚情報>言語情報の優先度で相手の感情や態度を判断する

メタメッセージと9つの気質タイプ

生まれ持った気質はコミュニケーションスタイルやメタメッセージにも影響を与えます。

気質タイプとコミュニケーションスタイルの関係を知るメリットは3つあります。

  1. 自分自身のコミュニケーションスタイルを理解し改善できる
  2. 相手のコミュニケーションスタイルを理解できる
  3. 相互理解が深まる

9つの気質タイプは、送り手と受け手の双方のコミュニケーションに影響を与えます。

メッセージの送り手

送り手の気質タイプは、メッセージの発し方に影響します。

  • どのような情報を重視するか
  • どのようにメッセージを伝えるか(声の調子、言葉づかい)
  • 暗示するメタメッセージに影響

メッセージの受け手

受け手の気質タイプは、メッセージの受け取り方に影響します。

  • メタメッセージをどう解釈するか
  • 何に気づくか、気づかないか
  • 何に心を動かされるか
  • どの情報を重視し、どこまで明確にしようとするか

9つの気質タイプは、人が何に焦点を当てるか、あるいは焦点を当てないか、どのようにコミュニケーションをとるか、そしてメタメッセージについて、様々なパターンを示しています。

ここからは9タイプそれぞれの特徴をお伝えします。

9タイプのコミュニケーションスタイルの特徴

僧侶タイプ

メタメッセージ

私は自分の基準を設定し、達成する。それは明らかに正しく、他の人よりも優れている。

このメタメッセージは、明確で指示的なコミュニケーションにあらわれます。

僧侶タイプはしばしばエラーやミスを強調し、細かな指示を与え、自分と相手との間に境界線を引くことに焦点を当てます。

僧侶タイプは、物事や状況を正しいか間違っているか、良いか悪いかで判断し、極端な言葉で表現することがあります。

語尾には「すべき」や「ねばならない」といった言葉がちりばめられ、僧侶タイプの高い基準や倫理観を伺わせます。

僧侶タイプへのアドバイス

僧侶タイプは自分自身の視点に固執し、視野が狭くなることがあります。

物事を善と悪に二極化する傾向があること、複雑な文脈では善悪に単純化しすぎるとリスクが伴うことを意識することで、コミュニケーションを発展させることができます。

他者とのコミュニケーションを、代替的な視点を受け入れ事実の複数の解釈を探求する機会としてとらえるとよいでしょう。

保育士タイプ

メタメッセージ

私はあなたのそばにいて、いつでも話を聞き、手助けをし、できる限りのアドバイスをするつもりです。

このメッセージは、くだけた雰囲気で、肯定的な態度や気持ちを表し、「すばらしい」「よくやったね!」「あなたならできる」といった明るい言葉にあらわれます。

保育士タイプは常に励まそうとし、否定的なメッセージは隠したり、褒め言葉やお世辞でごまかしたりしようとします。

保育士タイプは他人の気持ちを優先するため、自分自身や自分自身の課題や意見をコミュニケーションから外してしまうことがあります。

これには「ありのままの自分は愛されない」という恐れや自分は助ける側だというプライドが関係しています。

保育士タイプへのアドバイス

保育士タイプは、説得やお世辞のレベルを下げ、代わりに自分の気持ちをもっとシンプルに直接表現することで、コミュニケーションを改善できるかもしれません。

「言わなくてもわかるはず」「察してほしい」という気持ちがあるかもしれませんが、思いは言葉にしないと伝わりません。

あなたの思いを適切に表現することで、相手に対する自分の考えで頭がいっぱいになるのではなく、相手に耳を傾ける準備が整います。

レーサータイプ

メタメッセージ

私は達成する方法を知っている。だから、成功に導くことができる。

レーサータイプは自己主張が強く、現実的で、要点を押さえたコミュニケーションをする傾向があり、「時間を無駄にする」ことを嫌います。

レーサータイプは「投資対効果」、「目標」、「報酬」、「付加価値」に焦点をあてます。

自分の功績を他人に伝えることに抵抗がありません。

でも、他のタイプはそこに抵抗感を持つかもしれず、それをあえて伝えないことがあることを知っておいてください。

レーサータイプは現実的で明瞭であり、具体例を用いて問題の核心を突きます。

目標達成や成果を上げることに動機づけられているため、まわりの人を同じようなレベルの集中力と努力に駆り立てる努力をします。

レーサータイプへのアドバイス

ペースが速いため、アイデアを共有するときにややせっかちになります。

行動に移す前にペースを落とし、別の視点やより深い考察を受け入れることで利益を得ることができます。

また、自分の功績だけでなく、協力者の功績を強調することで、あなたの評価はより高まるでしょう。

芸術家タイプ

メタメッセージ

私は創造的であり、心の中で何が起こっているのかをより深く探求します。

このメッセージは、時に詩的で美しく、ドラマチックで、感情に訴えかけるコミュニケーションに表れます。

芸術家タイプの話は、話題があちこちに飛んだり、主語がなかったり、過去と未来が混ざり合ったり、朝令暮改だったりして、他の人がついていけないことがあります。

芸術家タイプは理想主義的で、「もし~だったら」「もし~だったらどうなるのだろう?」と発想を膨らませます。

芸術家タイプへのアドバイス

芸術家タイプの重要な課題は、コミュニケーションの深さと情緒の激しさのバランスをとることです。

客観的な事実や課題にもっと焦点を当てることがヒントになるでしょう。

コミュニケーションの深さや感情の強さが押しつけがましく感じられ、信頼関係を築くのに時間がかかることがあります。

それを自覚しておくこともプラスになるでしょう。

研究者タイプ

メタメッセージ

論理的で効果的なアプローチを決定するために、知識や専門知識を探求します。

研究者タイプは、専門用語や技術用語を多用することが多く、「理解できない、ついていけないなら、自己責任で」という暗黙のメッセージを持つことがあります。

研究者タイプのコミュニケーションは、物事を説明し、統合し、解明することを重視しています。

そこで「あなたが理解する必要があるのは‥‥‥」「説明させてください」「あなたの視点が間違っている理由はここにあります」といった、慇懃無礼と思われかねない言葉を使うことが多いです。

研究者タイプのコンフォートゾーンは合理的で客観的なコミュニケーションであり、感情を認識したり表現したりすることに苦労します。

研究者タイプへのアドバイス

研究者タイプは相手と距離をとる傾向があり、チャットやメールといったデジタルなコミュニケーションを好みます。

しかし、メラビアンの法則にあるとおり、人は非言語情報も含めて相互理解を深めています。

デジタルコミュニケーションによる伝達情報には限りがあります。

より深く個人的な関係を築くためには、直接会う機会を増やすとよいでしょう。

公務員タイプ

メタメッセージ

ここにあるすべてのリスクや脅威を完全に探求し、掘り起こすことができただろうか?

公務員タイプのコミュニケーションスタイルは、しばしば否定的または悲観的とされ、状況の潜在的なリスクや課題に焦点を当てます。

公務員タイプは状況や決断の裏側や未解明の側面を強調することが多く、「しかし、一方では」や 「もしもこうなったら」などと言ったり、議論と反論を同時に提示したりします。

また、リスク対策を重視するため、「それはうまくいかない、なぜなら」や「前例がない、リスクが高い」といった意見を述べる傾向があります。

一方で、チームを重視し、「一緒にやればできる」という考え方も強調します。

「もしも」と「もしも」の間を行ったり来たりするのが公務員タイプの思考の特徴です。

公務員タイプへのアドバイス

公務員タイプのコミュニケーションは、泥沼化したり、同じ問題を何度も繰り返したり、自分自身と矛盾することさえあります。

時間をかけて自分の考えをまとめ、事実と不安要素を区別してから他者と関わることで、コミュニケーションを改善することができるでしょう。

冒険家タイプ

メタメッセージ

この先の可能性や興味をそそる選択肢に集中したい!

メッセージが何であれ、冒険家タイプのセリフには感嘆符がついています。

冒険家タイプの言葉は熱狂的で興奮に満ちており、「すばらしい!」、「イエス!」「よっしゃ!」といった感嘆詞をよく使います

一方で、「すばらしい!」を多用して、アイデアのマイナス面から意図的に目をそらし、無視することもあります。

大局的な視点からコミュニケーションをとり、未来の可能性に焦点をあてます。

拡散的思考を持つため、そのマイペースさも相まって、表面的、一般化され、焦点が定まっていないように見えることがあります。

冒険家タイプは、コミュニケーションを盛り上げ、主張を通すために、たとえ話、ジョーク、サプライズ、誇張など、多くの戦術を駆使します。

冒険家タイプへのアドバイス

冒険家タイプの自発的でマイペースなスタイルは、自己中心的な印象を与え、他人の話を真剣に聞く力を制限することがあります。

ペースを落とし、期待や焦りなしに相手の話を聞くスペースを意識的に作ることで、相互理解を深めることができるでしょう。

「もしも‥‥‥」と未来を考えるとき

  • リスクや不確実性を思い浮かべるのが公務員タイプ
  • もっと別の手があるのではないか、もっと別の可能性があるのではないかと可能性に焦点を当てるのが冒険家タイプです。

棟梁タイプ

パワーのある女性
メタメッセージ

ついてきな! 私は何をどのようにすべきかを知っている!

棟梁タイプのコミュニケーションスタイルは刺激的で、信じられないほど説得力があります。

棟梁タイプの暗黙のメッセージは「リードするか、従うか、邪魔をしないか 」です。

断定的な言い方をする傾向があるので、行き過ぎると、そのコミュニケーションは押し付けがましく、無礼に見えることもあります。

棟梁タイプは余計な言葉や説明を使いません。

感情的でなく、率直で要領がいいため、他人にはぶっきらぼうに見えることもあります。

怒っているときのコミュニケーションは、より感情的で反応的になります。

棟梁タイプへのアドバイス

棟梁タイプは、その確信的な態度が異なる視点を封じたり、威圧したりして、他者からの質問や能力の発揮を妨げることを自覚する必要があります。

ペースを落とし、決めつけた言い方を減らすことで、他の人があなたのビジョンに賛同し、その達成に向けて共に働くよう鼓舞することができるでしょう。

酪農家タイプ

メタメッセージ

みんながうまくいくように、調和のとれた関係を築いていたい

酪農家タイプは、皆が仲良く穏やかに過ごしている様子を外から見ているのがいいと言います。

酪農家タイプは、穏やかで、敬意を払い、他人を混乱させたり不快にさせたりしない方法でコミュニケーションをとります

酪農家タイプは、一般的であいまいな言葉で話し、自分の意見を控える傾向があります。

それは自分の意見を言うよりも、周囲の調和を保つことに焦点を当てているからです。

「私は」というよりも「私たちは」と言い、他者の意見や見解に同調し、丸くおさめようとします。

そのため「どっちつかずだな」とか「あなたはどうしたいの」と言われます。

酪農家タイプは断るのが苦手なので、いやなときは「うん」「わかった」と言いながら、実際には動かなかったり沈黙したりします。

酪農家タイプへのアドバイス

あなたが想像するほど、あなたの意見を主張しても調和が乱れることはないので安心してください。

むしろ、あなたの意見を聞くことで他者はあなたをより理解し、関係を深めることができます。

何が最も重要か、自分の視点は何か、何が良い行動だと思うかを明確にすることで、コミュニケーションを改善することができるでしょう。

最後に

気質タイプごとのコミュニケーションスタイルを見てきました。

コミュニケーション改善の第一歩として、相手が特定の言葉を使ったとき、自分が同じ言葉を使ったときと同じ意味だと思い込まないようにしましょう。

相手の言葉の背後にある考えや思い、価値観はあなたとは異なります。

視点が異なることを前提に、自分のフィルターを通さず、相手の視点を理解するよう努めることで、コミュニケーションは改善するでしょう。

参考:

熊取谷哲夫. メタメッセージと母語話者・非母語話者の談話行動

‘Communication Styles of the Nine Types’ by Dirk Cloete. November 6, 2022.