小さな愛の天使
タイプ2のやさしい心
クラスで困っている子がいると、いち早く気づいて声をかける。先生が忙しそうだと、「なにか手伝いますか?」と自然に動く。
自分のことは後回しなのに、「ありがとう」「助かったよ」と言われると、少し照れたように笑う。
そうした姿に、胸があたたかくなることもあれば、少し気がかりになることもあるでしょう。
このページでは、そうした子どもの姿を手がかりに、エニアグラムのタイプ2(援助者)という視点から、その内側にある感じ方や願いを見ていきます。
子どもの行動の奥には、大人が思っている以上に、まっすぐで繊細な気持ちが隠れています。
タイプ2の気質をひもとく
だれかの笑顔が力になる
タイプ2の子は、こんな子です
すべてが当てはまらなくても大丈夫。「これ、うちの子っぽいかも」と感じるところがあれば、それがひとつのヒントです。
- 人の気持ちに敏感で、困っている人を放っておけない
- 「ありがとう」「助かったよ」と言われると、元気になる
- 自分のことより、相手を優先しがち
- まわりとの関係や空気を、とても大切にしている
- 人の役に立てているかどうかが、安心感につながりやすい
多くの場合、タイプ2の子は、「だれかに必要とされている」と感じられることで、心が満たされます。
それは、目立ちたいからでも、評価を取ろうとしているからでもありません。人とつながり、あたたかい関係の中にいたいという、とても自然な願いなのです。
タイプ2の子に見られやすい行動パターン
タイプ2の子どもには、こんな姿が見られることがあります。
- 友だちが困っていると、自分の作業を止めてでも手伝おうとする
- 「それ、私がやるよ」と声をかけてから、あとで少し疲れを感じている
- ほめられると安心して、さらにがんばろうとする
- 場の空気がピリッとすると、和ませようと声をかける
- 本当は疲れていても、「大丈夫」と言ってしまう
どの場面にも共通しているのは、「役に立ちたい」「つながっていたい」という気持ちです。
人の役に立てる自分でいられることは、タイプ2の子が世界を安心して生きるための、大切な支えでもあります。
そのやさしさは大きな魅力であり強みですが、自分の気持ちを後回しにしすぎると、知らないうちに無理がたまってしまうこともあります。
タイプ2の子の学び方とコミュニケーションの特徴
学び方に表れやすい姿
タイプ2の子は、「だれかの役に立つ」「一緒にがんばる」という要素があると、力を発揮しやすくなります。
- 「これ、誰かのためになるよ」と伝えられると、やる気が出る
- 一人で黙々より、だれかと一緒のほうが集中できる
- ほめられると安心し、もう一度がんばろうと思える
- 心が動いた出来事や、うれしかった言葉をよく覚えている
- 結果よりも、「どう思われたか」が気になることもある
学ぶことと、人との関係が、自然と結びつきやすい子です。
人との関わりで見えてくること
人とのやりとりの中でも、タイプ2の子らしさが表れます。
- 相手の気持ちを察して、言葉や態度を選ぶ
- 「大丈夫?」「手伝おうか?」と、声かけが多い
- 自分の希望より、相手の望みを優先しがち
- 本音をストレートに言うより、遠回しになることがある
- 頼られると、断れずに引き受けてしまう
やさしさゆえに、「本当はどうしたい?」という自分の気持ちが、後ろに下がってしまうことも。
それもまた、人との関係を大切にしてきた結果なのです。
タイプ2の子が安心できるために
親ができる5つのサポート
タイプ2の子どもは、「愛されたい」「大切にされたい」という気持ちを、とても素直に持っています。
人の役に立てたとき、誰かに必要とされたとき、その気持ちは、安心へとつながっていきます。
その安心が無理をしなくても育っていくように、親ができる関わりを5つご紹介します。
1. 何もしていない時間にも、愛情を伝える
お手伝いをしたときだけでなく、
「いてくれるだけでうれしいよ」
「そのままで大丈夫だよ」
そんな言葉が、「がんばらなくても愛される」という安心になります。
2. 「ありがとう」が役目になりすぎないように
「助かったよ」「ありがとう」は、うれしい言葉でもあり、同時に、子どもの中で「次もがんばらなきゃ」という合図になってしまうこともあります。
そんなときに、
「やらなくても大丈夫だよ」
「今日は休もうか」
役割から降りられる言葉も、忘れずに。
3. 気づかいを、当たり前にしない
人にやさしくする姿を、
「自然にできるの、すごいね」
「よく気づいたね」
その子自身の力として、ちゃんと受け取ってあげましょう。
4. 本音を聞く時間を、意識的につくる
「本当はどうしたかった?」
「無理してなかった?」
答えがすぐ出なくても大丈夫。
聞いてもらえる経験が、「自分の気持ちを大事にしていい」につながります。
5. 「頼っていい」「受け取っていい」を伝える
タイプ2の子は、与えるのは得意でも、受け取るのは少し苦手。
「今日はお願いしていい?」
「助けてもらえると助かるな」
そんな場面をつくることで、人に頼ることも、自然な関係だと学んでいきます。
おわりに
やさしさが、自分にも向くように
だれかの笑顔のために、自然と動けるタイプ2の子。
そのやさしさは、まわりをあたためる大切な力です。
親がその気持ちを受け取り、「与えるだけじゃなく、受け取ってもいいんだよ」と伝えていくことで、子どもは少しずつ、自分自身にもやさしさを向けられるようになります。
愛する力を、自分にも使えるようになること。
それが、タイプ2の子が本来の輝きを広げていく道なのかもしれません。
子どもの反応やこだわりを「性格」だけで決めつけずに見るために、エニアグラム全体の考え方を知っておくと、見え方が少し変わります。
→ エニアグラムとは? 自己理解を深めるための内面の地図
このタイプの背景にある恐れや動機については、大人向けの基本解説で詳しくまとめています。
→ タイプ2【援助者】の特徴と強み











