経営者・管理職のためのエニアグラム活用法|組織を変える4つの実践事例

経営者・管理職のためのエニアグラム活用法|組織を変える4つの実践事例

エニアグラムの気質タイプを知ることは、自己理解の第一歩です。しかし、それだけでは現場や組織は変わりません。重要なのは、タイプの理解を日常の行動に落とし込み、組織成果へと結びつけることです。

ここでは、タイプの知識を自己変容と組織成果に変える4つの実践法を、経営・マネジメントの現場での事例とともにご紹介します。

1. 意思決定の迷いを減らし、リーダーシップを発揮する

課題
タイプ6【忠実な人/信じる場所を探す人】は慎重で疑い深く、自分の判断にも確信が持てず決断が遅くなりがちです。
あるマネージャーは、部下の意見に振り回され、方針が定まらずプロジェクトが進まない状態に陥っていました。

変化のプロセス

  • 自分の気質を理解し、判断の根拠を「外部情報と論理性」に置き換える
  • 徹底的に情報を集め、客観的な論拠を固めた上で決断
  • 意思決定の際に「感情より根拠」を重視する方針に切り替え

成果

  • 会議での意思決定スピードが向上
  • 部下の意見に過度に引きずられなくなり方向性が安定
  • 推進力と信頼度が向上

2. 圧の強さを武器に変え、チームをまとめる

課題
タイプ8【挑戦者/真剣勝負の人】は率直で断定的な物言いをするため、意図せず部下を萎縮させ、反発や不満を招くことがあります。
あるリーダーは発言が誤解され、部下が意見を言わなくなり、チーム内に不満が蓄積していました。

変化のプロセス

  • タイプ8本人は「強い物言いが怒りと誤解されやすい」と理解
  • 部下にも「圧は性格特性であって感情ではない」と説明
  • 強弱を意識した伝え方に切り替え

成果

  • 部下からの発言が増加し、会議が活性化
  • チーム内の緊張感が和らぎ、協働意識が向上
  • 対立による業務停滞が減少

3. 成果依存から、メンバーを育てるリーダーへ

課題
タイプ3【達成者/成功を追求する人】は成果を出すことに価値を置くため、自分が前面に立ちがちです。
あるマネージャーは、自分が動けば成果は出る一方、部下が育たずチーム力が伸びないことに悩んでいました。

変化のプロセス

  • 成長方向性が「他者への貢献」にあると理解
  • タイプ6の献身性を参考に、裏方として部下を支えるスタイルに挑戦
  • 成果基準を「自分の成果」から「チーム全体の成果」に変更

成果

  • 部下の自主性が高まり、提案や改善が活発化
  • チーム全体の成果が安定的に向上
  • リーダー不在時も組織が回る体制に

4. 完璧主義を手放し、生産性を上げる

課題
タイプ1【改革者/信念を貫く人】は完璧を求めすぎる傾向があります。
ある経営者は、部下のミスを許せず厳しく叱責し、離職が相次ぎました。

変化のプロセス

  • 自分の完璧主義を理解
  • 基準を「絶対の正しさ」から「仕組み改善」へシフト
  • ミス発生時は感情的反応ではなく改善策に注力

成果

  • 部下の離職が減少し、職場の雰囲気が改善
  • 部下がミスを恐れず動けるようになり、業務スピードが向上
  • 経営者自身の精神的負担が軽減

まとめ ― 知識を成果に変える

エニアグラムの知識は、あくまでスタート地点です。重要なのは、自分や他者の気質を理解したうえで、行動を変え、組織の成果につなげることです。

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ABOUT US
みずさゆ産業カウンセラー | 社会保険労務士
人と組織の可能性は、「気質」への理解からひらかれる。経営やマネジメントにおいて、最も難しく、同時に最も影響力のあるテーマは「人」です。 数字や戦略だけでは動かない組織において、リーダーのあり方こそが、周囲を動かす原動力となります。EnneaLabでは、「9タイプの気質理解(エニアグラム)」を軸に、リーダー自身の自己理解と、組織における人の活かし方を支援しています。