「なんとなくモヤモヤするけれど、自分のことがよくわからない」
「頑張っているのに、自分に自信が持てない」
そんなふうに感じたことはありませんか?
本記事では、「思考」「感情」「感覚」の3つの視点から、自己理解を深めるヒントをご紹介します。
自己理解とは?意味と定義をわかりやすく解説
自己理解とは、自分の内側にある思考・感情・感覚を認識し、受け止めていくプロセスです。この章では、その定義と基本的な3つの視点についてご紹介します。
普段、私たちは「何を考え」「何を感じ」「どう動くか」を自然に選んでいますが、そのパターンには無意識のクセが隠れています。
- 思考(頭):どんな視点で物事をとらえ、どう判断しようとするか
例)いつも「正しいか・間違っているか」で物事を考えてしまうクセ - 感情(心):どんな感情に敏感に反応しやすいか
例)小さな指摘にも「怒られた」と感じてしまう敏感さ - 感覚(体・直感):どんな場面で身体が緊張したり、ふわっと軽くなったりするか
例)新しい場所に行くと体がこわばる、逆に自然の中だとリラックスできる
あなたは、どんな視点で物事を判断していますか?
これらに意識を向けることが、自己理解の第一歩となります。
自己評価・自己肯定感との違いとは?
自己理解に似た言葉との違いを整理しながら、どう関係しているのかを解説します。自己理解に近い言葉はたくさんありますが、少しずつニュアンスが異なります。
①自己評価
思考中心に、「自分を良い・悪いと評価する」視点。結果として自己肯定感に影響することもあります。
例)テストの点数が低かっただけで「自分はダメだ」と決めつけてしまう。
②自己肯定
感情中心に、「そのままの自分を認める」姿勢。自己理解を土台にして深まります。
例)失敗しても「そんな自分もOK」と受け止めることができる。
③自己意識
思考と感情の両方を含み、「今、自分がどんな状態かを意識する」力。
例)イライラしている自分に気づき、「今は疲れているだけかも」と自覚する。
④自己発見
感覚の領域にもかかわる、「知らなかった自分に出会う」体験。ときに直感的に訪れます。
例)ふとした場面で「こんなに冒険心があったんだ」と新しい自分に驚く。
自己理解が浅い人の特徴とデメリット
自己理解が浅いと、思考・感情・感覚のどこかで偏りやこじれが起こりやすくなります。
①人と比べて落ち込みやすい
思考が過剰に外に向き、自己否定が強まることがあります。
例)SNSで友達の活躍を見て、「自分は何もできていない」と落ち込む。
②感情や不安に振り回される
心が不安定になり、ちょっとした刺激にも過剰反応しやすくなります。
例)上司のひとことに過剰に傷つき、「もう無理だ」と思い込んでしまう。
③人間関係に悩みやすい
自分と他人との境界があいまいになり、無意識の期待や失望が増えます。
例)「これだけやったのに感謝されない」と一方的に傷つく。
④自分の強みを活かしにくい
感覚が鈍り、「本来の自分らしさ」が発揮できなくなってしまいます。
例)本当はクリエイティブな感性があるのに、無難な選択ばかりしてしまう。
今日からできる 自己理解の深め方4選
思考・感情・感覚の3つのアプローチから、日常で実践できる自己理解の方法を具体的に紹介します。
3センター(思考・感情・感覚)それぞれに働きかけるアプローチを取り入れると、自己理解はぐっと深まります。
①うまくいっていることを書き出す(思考にアプローチ)
日々の中で「よかったこと」や「できたこと」をリストアップすることで、思考の整理とポジティブな視点が育ちます。
なぜなら、意識しないとネガティブな出来事ばかりに目が向きやすいからです。
例)「今日も朝ちゃんと起きられた」「友達にありがとうと言えた」
②親しい人に自分のことを聞いてみる(感情にアプローチ)
信頼できる相手に「私ってどんな人に見える?」とたずねることで、心の新たな一面に出会えます。
この効果は、自分では当たり前すぎて気づいていない魅力に気づける点にあります。
例)「さりげなく困ってる人に声をかけていて、視野が広いね」と言われ、自分のよさに気づく。
③感情の動きを書きだす(感情にアプローチ)
「うれしかった・イライラした・不安だった」など、感情の動きをメモすることで、心のクセに気づくことができます。
こうすることで、自分の心のパターンを客観的に見つめられるようになります。
例)「怒るときはだいたい、無視されたと感じたときだ」と気づく。
④9タイプ気質診断で性格パターンに気づく(自己理解の土台を知る)
自己理解を深めたいとき、「9タイプ気質診断」を受けてみるのも一つの方法です。
この診断では、自分でも気づいていなかった思考・感情・行動のパターンに光を当てることができます。たとえば、「なぜかいつも同じことで悩んでしまう」「人との関係で空回りしてしまう」といった背景に、あなたの“気質のクセ”が関係している場合もあります。
診断結果に触れることで、「そうか、自分は〇〇な価値観を大切にしていたんだ」と腑に落ちる感覚が得られることも。こうした気づきは、自分をジャッジするのではなく、やさしく受け止める第一歩になります。
また、このタイプ診断は「一度やって終わり」ではなく、その後の振り返りや対話と組み合わせることで、より深い自己理解へとつながります。
この診断を受けた後は、「Self Portraitセッション」であなたの個性や課題に合わせたナビゲートも可能です。自己理解をさらに深めたい方におすすめです。
▶9タイプ気質診断とは?性格診断の枠を超えた自己理解のツール
自己理解が深まると、どんないいことがあるの?
1. 自分の強み・弱みを正しく認識できる
「なんとなく得意なこと」「苦手なこと」を感覚で把握しているだけでは、なかなか戦略的な行動はできません。
自己理解が深まると、たとえばこんなふうに言語化できるようになります。
「計画を立てるのは得意だけど、突発的な変更には弱い」
「初対面の人とすぐ打ち解ける力がある。でも、長期的な人間関係を築くには意識が必要」
ポイントは、「強みは活かす」「弱みは補う」、そして「自分だけで何とかしようとせず、人の助けを借りる」という選択肢が持てるようになることです。
特に、弱みを認識できていないと、「全部自分でできなければ」と無理をして、不得意なことに時間やエネルギーを費やしがちです。
でも、本当に大切なのは自分の資源をどう使うかという視点。自己理解があると、自分の苦手な部分を他者にサポートしてもらうことに、ためらいがなくなっていきます。
2. 感情や行動のパターンに気づける
「どうしていつも同じような失敗をしてしまうんだろう?」
そんな疑問を抱いたことはありませんか?
自己理解を深めると、感情・思考・行動の“自動運転モード”に気づけるようになります。
たとえば「怒りたくないのに、すぐイライラしてしまう」と感じたとき、その背景に「不安がある」「期待通りにいかない恐れがある」など、隠れた感情を見つけられるかもしれません。
こうした隠れた感情に気づくことができると、自動的に反応してしまう前に、いったん立ち止まることができるようになります。
そして、「他にどんな反応ができるだろう?」と、新たな選択肢を持てるようになるのです。
つまり、パターンに気づくことが、パターンを変えることへの第一歩。
自己理解は、望まない反応から自由になる力を育ててくれます。
3. 他者理解が深まり、コミュニケーションがラクになる
自己理解が深い人ほど、相手を理解しやすくなります。
なぜなら、自分の感情や考え方のクセを知っている人は、「自分とは違う反応をする人」に対しても寛容になれるからです。
たとえば、
でも今は、「ただスタイルが違うだけなんだ」と思えるようになった。
むしろ、直感を信じられる人の強さにも気づけた。
自分には自分のスタイルがあり、相手にも相手のスタイルがある。それを受け入れている人は、自分と相手の双方を尊重することができます。
特に、感情を感じやすいタイプの人は、相手の反応に過敏に反応してしまうことがあります。でも、相手は相手の世界でやっているだけだとわかると、冷静に受け止められるようになり、心が無駄にザワつかなくなります。
その結果、摩擦が減り、コミュニケーションがぐっとラクになるのです。
なぜ自己理解が自己変容に必要なのか?
自己変容とは、ただ「変わる」ことではなく、自分の核を深く知り、その上で自然に変わっていくことです。
思考・感情・感覚という3つの領域を通して自己理解を深めることで、
- 「頭で納得する」だけでなく
- 「心で感じる」こともできて
- 「体でしっくりくる」変化
が起きていきます。
その変化は、無理に何かを直そうとするよりも、ずっと穏やかで、力強いものになるでしょう。
最初の一歩は「気づくこと」から始まる
自己理解を深めるために、今日からできることはとてもシンプルです。
まずは、「自分は今、どんな気持ち?」と一日一回問いかけてみましょう。
感情・思考・感覚、どれでもOK。
小さな自己観察の積み重ねが、大きな変化への一歩になります。
「うまく言葉にできないけれど、今のままではいたくない」
そんなふうに感じたときは、自分と向き合う準備が整ってきた証かもしれません。
「Self Portrait セッション」では、あなたのペースに寄り添いながら、優しく自己理解の旅をナビゲートします。
▶ 詳細はこちらからご覧いただけます。
よく考えてから動く自分にとって、直感で動く人は「軽率だな」と感じていた。