「子どもにとって良い親でありたい」
そんな想いは、すべての親に共通するものです。
でも、どんなに愛情を注いでも、なぜかうまく伝わらなかったり、衝突してしまったりすることはありませんか?
実はその背景には、「親の気質」が大きく関わっているかもしれません。
そんなときこそ、エニアグラムの視点が役立ちます。
自分がどんな価値観や考え方を持って子育てに向き合っているのかが、見えてくることがあるのです。
ここでは、エニアグラムの9タイプに基づいて、「親自身のタイプ」から見た子育てのヒントをご紹介していきます。
今回は【タイプ3の親】について。気質の特徴や接し方のポイント、タイプごとの子どもとの関わり方まで詳しく見ていきましょう。
エニアグラム・タイプ3の親の特徴と価値観
タイプ3の親は、成果や成功に重きを置き、目標達成に向けて努力を惜しまない人物です。
自己成長を大切にし、子どもにも同じように成長を促したいと考える傾向があります。
「頑張っていることを見ていてほしい」
「成果をあげてこそ意義がある」
そんな気持ちが強く、子どもにも出来るようになることを期待します。
良いところと気をつけたいところ
良いところ
- 子どもに高い目標を設定し、努力を促すことができる
- 自分の行動を管理し、結果を出す力がある
- 子どもの成長を大切にし、成功体験を重視する
気をつけたいところ
- 成果ばかりを重視すると、子どもがプレッシャーを感じてしまう
- 失敗を恐れて、子どもが自分を表現できないことがある
- 周囲の評価への敏感さが、子どもに過度の期待となって伝わることがある
タイプ3の親は、時として完璧を求めすぎてしまうことがあり、子どもができない自分に悩む場面が見受けられます。
それが過度になると、子どもが自己評価を失ってしまうこともあるので注意が必要です。
子育てでしがちな声かけパターン
- 「もっと頑張ってできるようにならないと」
- 「それで本当に満足なの?」
- 「やればできるよ、がんばろう!」
タイプ3の親は、「できるようになること」「努力すること」を強調しがちです。
時には、「完璧でなくても大丈夫」「できなくても大丈夫」と伝える余裕を持つことが重要です。
タイプ3の親自身の心がけ
タイプ3の親は、「うまくやれている、人から認められる家庭でありたい」という気持ちが強く、子どもにもできる子であってほしいという期待を抱きやすい傾向があります。
そんな努力家の親の姿勢は、家庭を明るく引っ張る大きな力にもなります。
けれども、「成果」や「周囲からの評価」を大切にしすぎると、子どもが親の期待を叶えるための存在のように感じてしまうこともあります。
ときには立ち止まって、こう問いかけてみてください。
「私はうまくいっている親であることに、こだわりすぎていないだろうか?」
あなたが「失敗しても愛されている」「成果がなくても価値がある」と実感できたとき、子どもにもありのままの自分でいていいという安心感が伝わります。
親が自分をゆるめることは、子どもの自己肯定感を育む一番の土台になります。
タイプ別:子どもとの関わりヒント
タイプ1(ちゃんとしたい子)へ
がんばり屋のタイプ1の子にとって、親の期待は大きなプレッシャーになることも。
「その考え方、しっかりしていて素敵だね」「完璧じゃなくても大丈夫だよ」と、努力の姿勢そのものを認めてあげて。
タイプ2(やさしい子)へ
人の気持ちを大切にするタイプ2の子。親の求めに応えようとして、無理を重ねてしまいがちです。お手伝いには心からの感謝と安心を伝えましょう。
「君の気持ちが大事だよ」「本当にやりたいことをしてね」と、安心して自分の気持ちを優先できる空間を作ってあげて。
タイプ3(がんばる子)へ
期待に応えたい気持ちが強いタイプ3の子。いつも「ちゃんとしなきゃ」と自分を追い込みがちです。
「過程も大切にしようね」「結果より、あなたがどう感じているかが大事だよ」と、存在そのものへの信頼を伝えて。
タイプ4(繊細な子)へ
個性を大切にしたいタイプ4の子には、親の成功イメージに合わせようとするより、自由な表現ができることが大切。
「その感じ方、素敵だね」「あなたの世界を聞かせてほしいな」と、ありのままを受けとめるまなざしを。
タイプ5(観察する子)へ
静かに考えるタイプ5の子にとっては、親の目標や成果重視の関わりが負担になることも。
「ゆっくりでいいよ」「あなたの考えを大切にしたい」と、急がせずにペースを尊重する姿勢が鍵です。
タイプ6(しっかりしたい子)へ
不安を感じやすいタイプ6の子には、「ちゃんと応えなきゃ」と思わせる言葉が重荷になることも。
「大丈夫、どんなときも味方だよ」「困ったら一緒に考えようね」と、安定した関係性を大切にしましょう。
タイプ7(たのしむ子)へ
楽しいことが大好きなタイプ7の子。目標や成果より、「今、どう感じているか」を大事にしたいタイプです。
「今日どんなことが楽しかった?」「失敗しても全然OK!」と、のびやかさを一緒に楽しんで。
タイプ8(パワフルな子)へ
自立心の強いタイプ8の子にとっては、親の指示や型にはめる関わりに反発しやすいところも。
「あなたの考えを聞かせてくれてうれしいよ」「一緒に作戦を立てよう」と、対等で信頼ある関係性を育んで。
タイプ9(おだやかな子)へ
周囲に合わせやすいタイプ9の子。親の期待に合わせすぎて、自分の気持ちがわからなくなることもあります。
「どう思った?」「あなたの声が聞けるとうれしいな」と、穏やかに心を開ける時間を意識して。
まとめ
タイプ3の親は、「成功」を大切にするあまり、子どもにも高い目標を設定してしまいがちです。
その愛情が強すぎるあまり、子どもはプレッシャーを感じてしまうこともあります。
完璧でなくても大丈夫だという視点を持ち、親自身も「ありのままの自分」を大切にしていくことが、子どもにとっても素直に自分を表現できる場を作り出します。
結果を求める気持ちを少し手放し、ありのままを認めるという親の姿勢を見せることで、子どもは自分を信じ、心からの成長を遂げることができるでしょう。
他のタイプの親や子についても知りたい方は、こちらのまとめ記事をご覧ください。