なぜあの人と合わないのか?タイプの違いから学ぶセルフマネジメント術

なぜあの人と合わないのか?タイプの違いから学ぶセルフマネジメント術

職場で、こんなふうに感じたことはありませんか?

「どうして、あの人はあんな言い方をするんだろう」
「なぜ、こんなにイライラしてしまうんだろう」

こうした感情の揺れは、単なる性格の良し悪しではなく、タイプの違いによる価値観や行動スタイルの差から生まれていることが少なくありません。

エニアグラムを知ると、自分がどんな場面でストレスを感じやすいのか、また相手がなぜそう振る舞うのか、その背景が見えてきます。これは、感情を冷静に整理し、状況に応じて行動を選べるようになるためのセルフマネジメントの重要なステップです。

この記事では、エニアグラム9タイプそれぞれが職場で感じやすいストレスのポイントと、誤解されやすい特徴を解説します。タイプの違いを理解し、「合わない」関係を「うまく付き合える」関係へと変えるヒントをお届けします。

自分のタイプがわからない方はこちらも参考に!
エニアグラム9タイプの特徴と性格の違いを早わかり解説

「タイプの違い」で生まれる職場ストレスとは?

職場では、異なる価値観や行動スタイルが交錯します。エニアグラムでは、人の性格を9つの基本タイプに分類し、それぞれが大切にしていることやストレス要因が異なると考えます。

つまり、人間関係の摩擦は自分と相手の価値観のズレから生じるのです。このズレを理解し、自分の反応を客観視することが、ストレスを減らすセルフマネジメントの第一歩です。

タイプ別:職場でのストレス要因と誤解されやすい点

タイプ1:信念を貫く人

  • ストレス要因
    ルールや手順を守らない、非効率な人
  • 誤解されがちな点
    「細かすぎる」「厳しすぎる」

「こうするのが正しい」と思うことに一途になれるタイプ1。その誠実さや努力は、組織の軸にもなります。

ただ、あなたが「当たり前」と感じていることも、他の人にとってはそうではないかもしれません。

ときどき、理想から半歩だけ視点を引いてみると、人との関係が少し軽やかになるかもしれませんよ。

タイプ2:心を配る人

  • ストレス要因
    冷たく感じる人、感謝されない状況
  • 誤解されがちな点
    「おせっかい」「見返りを求めている」

人の役に立ちたい気持ちは素晴らしいギフト。

でも、自分の思いに気づいてもらえないと、心が疲れてしまうこともありますよね。

助ける前に、「相手がそれを望んでいるかどうか」。その一呼吸が、お互いをもっと心地よくつなげてくれます。

タイプ3:成功を追求する人

  • ストレス要因
    効率が悪い人、評価されない努力
  • 誤解されがちな点
    「出世欲が強すぎる」「冷たい」

努力と成果を大切にする姿は、多くの人の刺激になります。

ただ、周囲の人が同じスピードや価値観で動けるとは限りません。

ときには、がんばり方の違いに目を向けてみてください。結果だけでなく、その過程にある人との関わりも、きっとあなたの力になります。

タイプ4:本物を探す人

  • ストレス要因
    画一的な対応、気持ちを理解されないこと
  • 誤解されがちな点
    「情緒不安定」「こだわりが強すぎる」

感情の奥行きや、何気ない空気の変化にも気づけるタイプ4。その感受性は、他の誰にも真似できない魅力です。

ただ、自分の内側を深く掘るほど、「この感じ、誰にもわかってもらえないかもしれない」という孤独も生まれます。

でも、それをすべての人にわかってもらう必要はありません。理解を得られそうな相手にだけ、そっと打ち明けてみる。わかり合える瞬間は、きっとその中にあります。

タイプ5:静かに観察する人

  • ストレス要因
    雑談や感情的な反応、過度な干渉
  • 誤解されがちな点
    「距離がある」「冷めている」

深く考え、物事を冷静に分析するスタイルは、大きな安心感を生み出します。

ただ、ひとりでじっくり考えようとするあなたに対して、周りの人が「何を考えているのかわからない」と感じることも。

もちろん、あなたの状況をすべて伝える必要はありません。でも、「今は整理中」などひとこと添えるだけで、すれ違いを防ぐことができます。

タイプ6:信じる場所を探す人

  • ストレス要因
    曖昧な指示、リスクを伴う決断
  • 誤解されがちな点
    「慎重すぎる」「否定的」

最悪のケースを想定し、備える力は大切な安心材料。

でも、不安が大きくなりすぎると、判断にブレーキがかかってしまうことも。

「これでいけるのか?」と迷ったときは、自分で確認できる情報や信頼できる人を頼ってみましょう。安心は、自分の手で育てられます。

タイプ7:自由を愛する人

  • ストレス要因
    退屈なルーティン、制限の多い環境
  • 誤解されがちな点
    「落ち着きがない」「責任感がない」

ポジティブでアイデアにあふれ、未来を楽しみにできる人。それがタイプ7です。

でも、「今がつまらない」と感じたときほど、現実逃避モードに入りやすい一面も。

気づいたら、いま目の前にあることにひとつだけ集中してみて。思った以上に手応えや達成感が味わえるかもしれません。そして、まわりにも一目置かれますよ。

タイプ8:真剣勝負の人

  • ストレス要因
    弱みを見せる状況、権威への服従
  • 誤解されがちな点
    「強引」「威圧的」

責任を引き受け、決断を下し、前に進める力強さ。それがタイプ8の魅力であり、頼られる理由でもあります。

でも、強さを見せるあまり、本当の想いや迷いが伝わらないことも。

一度「こうすべき」と腹を決めたとき、他の選択肢や意見を遮ってしまうこと、ありませんか? その場は収まっても、あとで人がついてこない。

そんな違和感が残るなら、伝え方をほんの少しだけ変えてみてください。相手を圧倒するのではなく、巻き込む方向へ。

力の出しどころを選べるようになると、さらに信頼される存在になります。

タイプ9:平穏を愛する人

  • ストレス要因
    対立、急な変化、プレッシャー
  • 誤解されがちな点
    「意見がない」「受け身」

衝突を避けて、まわりが気持ちよく過ごせるように自然と配慮できる。それがタイプ9の魅力です。

あるタイプ9の方は「主張するとバランスが壊れる気がして言えない」と言っていました。

そんな感覚、少しわかりますよね。でも、実際は意外と崩れません。むしろ、あなたが本音を伝えることで、調和が崩れるどころかチームの相互理解が深まることがあります。

まとめ:ストレスを「自己理解」で力に変える

人間関係のストレスは、「合わないこと」そのものよりも、理解できていないことから生じる場合がほとんどです。

自分のストレスのパターンを知り、相手の行動の背景を理解することで、感情を冷静に整理し、適切な行動を選べるようになります。

セルフマネジメントは、相手を変えることではなく、自分の受け止め方を変えることから始まります。タイプの違いを理解することは、その最も効果的な一歩です。

ABOUT US
みずさゆ産業カウンセラー | 社会保険労務士
人と組織の可能性は、「気質」への理解からひらかれる。経営やマネジメントにおいて、最も難しく、同時に最も影響力のあるテーマは「人」です。 数字や戦略だけでは動かない組織において、リーダーのあり方こそが、周囲を動かす原動力となります。EnneaLabでは、「9タイプの気質理解(エニアグラム)」を軸に、リーダー自身の自己理解と、組織における人の活かし方を支援しています。