【タイプ6の親】子育てのヒントと注意点。「不安」が子どもに連鎖しないために

【タイプ6の親】子育てのヒントと注意点。「不安」が子どもに連鎖しないために

「子どもにとって良い親でありたい」

そんな想いは、すべての親に共通するものです。

でも、どんなに愛情を注いでも、なぜかうまく伝わらなかったり、衝突してしまったりすることはありませんか?

実はその背景には、「親の気質」が大きく関わっているかもしれません。そんなときこそ、エニアグラムの視点が役立ちます。

自分がどんな価値観や考え方を持って子育てに向き合っているのかが、見えてくることがあるのです。

ここでは、エニアグラムの9タイプに基づいて、「親自身のタイプ」から見た子育てのヒントをご紹介していきます。今回は【タイプ6の親】について。気質の特徴や接し方のポイント、タイプごとの子どもとの関わり方まで詳しく見ていきましょう。

エニアグラム・タイプ6の親の特徴と価値観

タイプ6の親は、責任感が強く、誠実で、周囲をよく見ている存在です。

「この子の将来のために」と日々努力を惜しまず、安心できる育て方を大切にします。

子どもに「失敗させたくない」「困らせたくない」と、あらかじめ備えをしておくことも多いでしょう。

一方で、未来への不安や「これで大丈夫かな?」という迷いを抱えやすく、自分の考えや方針に自信を持ちきれないことも。

慎重で用心深いからこそ、子どもの様子に敏感に反応し、守ろうとする、愛情深い親です。

良いところと気をつけたいところ

良いところ

  • 子どもの安全・安心を第一に考える
  • 現実的で地に足のついた育児ができる
  • 信頼関係を大切にし、子どもと一緒に考えられる

気をつけたいところ

  • 心配のあまり、「ダメ」「危ない」と制限が多くなりがち
  • 子どもの自由な行動や選択に、不安を感じて止めてしまうことも
  • 子どもを信じる前に、まずリスクや問題を想定してしまいやすい

とくに「ちゃんとできる?」「本当に大丈夫?」という無意識の確認が増えると、子どもは「信じてもらえていない」と感じ、自信を失ってしまうことがあります。

子育てでしがちな声かけパターン

  • 「危ないから、やめておこうか」
  • 「失敗したらどうするの?」
  • 「ちゃんと確認した?」「それで本当にいいの?」

これらは、子どもへの心配と愛情からくる言葉ですが、繰り返されると、子どもは「自分には無理かも」「やらない方がいいのかな」と感じてしまいます。

その結果、チャレンジを避けたり、過度に親の顔色をうかがうようになることも。

タイプ6の親自身の心がけ

タイプ6の親は、子どもを守る力、日々の細やかな気配り、継続力にとても優れています。
ただ、不安にとらわれすぎると、「失敗させないこと」ばかりが目的になってしまうことも。

子どもにとって必要なのは、「やってみたい」という気持ちを支えてくれる大人です。
たとえ転んでも、「大丈夫、見てるよ」「困ったら一緒に考えよう」と言ってくれる存在こそが、
子どもの冒険心や自信を育てます。

あなたの目は、子どもにとって世界の安全を見守るレーダーのようなもの。
だからこそ、そのレーダーに「信じてるよ」「任せるね」という温かい光を加えてみてください。

「信じて見守ることも、守ることのひとつ」

そんなふうに自分を信頼できたとき、子どもとの関係もぐっと柔らかくなります。

タイプ別:子どもとの関わりヒント

ここからは、タイプ6の親がタイプごとの子どもに接する際のヒントをご紹介します。

タイプ1(ちゃんとしたい子)へ

責任感が強く、正しさにこだわる子。親の不安や厳しさが加わると、プレッシャーに感じやすい。
「よく頑張ってるね」「完璧じゃなくても大丈夫だよ」と安心を伝えて。

タイプ2(やさしい子)へ

人の気持ちに敏感で、愛されたい子。親の不安が強いと、過剰に気を使いすぎることも。
「あなたがいてくれて安心だよ」「そのままで大好きだよ」と伝えよう。

タイプ3(がんばる子)へ

成果や目標に向かって頑張る子。親が先回りしすぎると、失敗への恐れが強まってしまうことも。
「挑戦してるね」「うまくいかなくても応援してるよ」と姿勢を尊重して。

タイプ4(繊細な子)へ

繊細で感情豊かな子。親の不安が伝染しやすく、情緒が不安定になりがち。
「その気持ち、大事にしていいよ」と感情を否定せずに受け止めて。

タイプ5(観察する子)へ

距離を大切にし、自分の世界にこもりやすい子。干渉しすぎず、静かに見守ることが大切。
「困ったら声かけてね」と信頼のメッセージをさりげなく添えて。

タイプ6(しっかりしたい子)へ

親と似た気質で、不安を感じやすい子。不安が親子で連鎖しやすいので、安心の言葉を意識して。
「大丈夫」「信じてるよ」が子どもの安心感になります。

タイプ7(たのしむ子)へ

好奇心旺盛で、じっとしていられない子。親の心配が強いと、自由を奪われたように感じることも。
「面白そうだね」「一緒にやってみようか」とワクワクを共有して。

タイプ8(パワフルな子)へ

パワフルで自己主張の強い子。親が心配で制限しすぎると、反発心を強めてしまう。
「あなたならできるね」「信じて任せるよ」と力を認める姿勢で。

タイプ9(おだやかな子)へ

穏やかで控えめな子。親の不安に合わせて「何もしない」選択をしやすいので、「どうしたい?」「あなたの気持ちも聞きたいな」と意見を引き出す工夫を。

まとめ

タイプ6の親は、子どもに「安心」という確かな土台を与えられる存在です。ただし、過度な心配や過保護は、成長を守るつもりで停滞させてしまうこともあります。

親自身が「不安と共に進む力」を養うことで、子どもも「不安があっても挑戦できる」という自信を持てます。信じる力は、相手の力を引き出す最大のサポートです。

これは職場でも同じ。部下や後輩を信頼し、挑戦を見守る姿勢は、組織の主体性と自律性を育みます。

他のタイプの親や子についても知りたい方は、こちらのまとめ記事をご覧ください。

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みずさゆ産業カウンセラー | 社会保険労務士
人と組織の可能性は、「気質」への理解からひらかれる。経営やマネジメントにおいて、最も難しく、同時に最も影響力のあるテーマは「人」です。 数字や戦略だけでは動かない組織において、リーダーのあり方こそが、周囲を動かす原動力となります。EnneaLabでは、「9タイプの気質理解(エニアグラム)」を軸に、リーダー自身の自己理解と、組織における人の活かし方を支援しています。