「子どもにとって良い親でありたい」
そんな想いは、すべての親に共通するものです。
でも、どんなに愛情を注いでも、なぜかうまく伝わらなかったり、衝突してしまったりすることはありませんか?
実はその背景には、「親の気質」が大きく関わっているかもしれません。
そんなときこそ、エニアグラムの視点が役立ちます。自分がどんな価値観や考え方を持って子育てに向き合っているのかが、見えてくることがあるのです。
ここでは、エニアグラムの9タイプに基づいて、「親自身のタイプ」から見た子育てのヒントをご紹介していきます。
今回は【タイプ7の親】について。気質の特徴や接し方のポイント、タイプごとの子どもとの関わり方まで詳しく見ていきましょう。
エニアグラム・タイプ7の親の特徴と価値観
タイプ7の親は、明るく、前向きで、好奇心に満ちた存在です。
「子育ても人生も楽しまなくちゃ!」と、子どもと一緒に笑いながら日々を彩っていくエネルギーの持ち主。
新しいこと、ワクワクすることに敏感で、「子どもにも世界の面白さを伝えたい!」という思いが強いでしょう。
一方で、「しんどい空気」「重たい感情」に苦手意識があり、子どもの困難やネガティブな気持ちに向き合うことを避けたくなることも。
「何とかなるでしょ!」と楽観的に進もうとする姿勢が、時にすれ違いの原因になることがあります。
良いところと気をつけたいところ
良いところ
- 子どもの可能性を広げる発想力がある
- 柔軟で適応力があり、臨機応変な対応ができる
- 日々をポジティブに楽しく彩る力がある
気をつけたいところ
- 子どものネガティブな感情に触れるのを避けがち
- スケジュールやしつけがゆるくなりすぎることも
- 「今が楽しければOK」に寄りすぎると、子どもが先を見通せなくなる
とくに「大丈夫大丈夫!」「そんなこと気にしないで!」という反応が増えると、子どもは「ちゃんとわかってもらえない」と感じ、心を閉じてしまうことがあります。
子育てでしがちな声かけパターン
- 「なんとかなるって!」
- 「そんなに真面目に考えなくてもいいよ〜」
- 「楽しいこと考えようよ!」
これらは、子どもを励まそうとする優しさから出てくる言葉ですが、子どもの中にある不安や悩みにふたをしてしまうことにもなります。
結果として、子どもは「つらいって言っちゃダメなのかな」と、感情表現を抑えるようになることも。
タイプ7の親自身の心がけ
タイプ7の親は、子どもに「楽しさ」や「希望」を見せてくれる素敵なナビゲーター。
ただ、「楽しくなければ意味がない」「つらい話はしたくない」という思いが強すぎると、子どもの本音や困りごとに蓋をしてしまいかねません。
実は、ネガティブな感情に寄り添うことこそが、親子の信頼を深める最短ルート。
「しんどいね」「悔しかったね」と共に立ち止まることで、子どもは「どんなときもそばにいてくれる」と感じ、安心してチャレンジできるようになります。
「向き合うことも、楽しい未来をつくる一歩」
つらさも寂しさも受け止めた先に、本当の自由があります。
子どもとの関係も、そこからぐっと深く、あたたかく育っていきますよ。
タイプ別:子どもとの関わりヒント
ここからは、タイプ7の親がタイプごとの子どもに接する際のヒントをご紹介します。
タイプ1(ちゃんとしたい子)へ
几帳面で真面目な子。親のラフさに戸惑ったり、イライラをためてしまうことも。
「きっちりやってるね」「そのこだわり素敵だね」と認めて安心感を。
タイプ2(やさしい子)へ
人の気持ちに敏感な子。親の明るさに合わせようとして、自分のしんどさを隠すことも。
「あなたの気持ちも大事にしたいな」と内面に寄り添う言葉を。
タイプ3(がんばる子)へ
頑張り屋で成果志向の子。親の軽やかさは励みにもなるが、競争心をあおることも。
「頑張ったね」だけでなく、「その過程が素敵だったよ」と過程を評価してあげて。
タイプ4(繊細な子)へ
繊細で感情豊かな子。親のポジティブさがプレッシャーになることもある。
「落ち込んでも大丈夫」「気持ちにちゃんとつきあうよ」と安心感を伝えて。
タイプ5(観察する子)へ
静かで一人の時間を大切にする子。親のテンションが高すぎると疲れてしまうことも。
「好きなことに集中できる時間って大事だよね」と距離感を尊重して。
タイプ6(しっかりしたい子)へ
慎重で不安が強めな子。親のノリのよさに戸惑い、置いていかれたように感じることも。
「一緒に考えてみよう」「不安なときは教えてね」と寄り添う姿勢を大切に。
タイプ7(たのしむ子)へ
親子でテンションが高く、自由で楽しい関係に。ただし、お互いに「現実逃避」になりやすい。
「たまにはゆっくり振り返ってみようか」と感情や責任に目を向ける時間も持って。
タイプ8(パワフルな子)へ
強くて自立心のある子。親の軽さにイライラを覚えることもあるが、共に冒険できる関係にもなれる。
「あなたのその力、すごいね」と力強さを尊重して向き合う姿勢を。
タイプ9(おだやかな子)へ
穏やかで控えめな子。親のペースに巻き込まれて、意見を後回しにしやすい。
「どうしたい?」「あなたの考えも聞かせて」と、意見を引き出す工夫を。
まとめ
タイプ7の親は、子どもに「人生って面白いよ!」「世界は楽しいよ!」と教えてくれる太陽のような存在。
だからこそ、子どもはのびのびと世界に手を伸ばすことができます。
けれど、「楽しい」だけでは満たせない心の声があることも、ぜひ忘れないでください。
あなたの明るさに、「向き合う力」「待つ力」が加わることで、子どもにとって本当に信頼できる居場所が生まれます。
ポジティブもネガティブも、どちらも大切な感情。
それを全部丸ごと受け止めてくれるあなたは、きっと子どもにとって最高の味方です。
他のタイプの親や子についても知りたい方は、こちらのまとめ記事をご覧ください。