「この先生の教え方、すごくわかりやすい!」
そう感じることがある一方で、「なんだかわかりにくいな」と思った経験はありませんか?
理屈で理解することで納得できる人もいれば、体を動かして体感から覚えるほうが得意な人、感情やイメージと結びつけると一気に理解が深まる人もいます。
実は、こうした学び方の違いには、エニアグラムの「3つのセンター」という視点が深く関係しています。
しかも近年では、それぞれのセンターが脳の特定の領域ともつながっている可能性が指摘されており、単なる性格分類を超えて、学習スタイルや人との関わり方にも大きなヒントを与えてくれるのです。
この記事では、エニアグラムにおける「本能・感情・思考」の3つのセンターについて、それぞれの学習スタイルや特徴を、脳科学の視点も交えてわかりやすく解説します。
あなたの「学び方」、どのセンター型?

本能センター(タイプ8・9・1):「体で学ぶ」タイプ
このセンターの人は、実践あるのみ!というタイプが多いです。
とにかく動いてみる、経験してみる。頭で考えるよりも、体で感じて納得するのが特徴です。
たとえばスポーツなら、理屈は後まわし。ひたすら繰り返し体を動かしていくうちに、「あ、こういうことか」と技術が身についていきます。
まさに「筋肉で学ぶ」タイプですね。
タイプ9の方のコメント
小学生の頃、柿の木に登って、枝が折れて背中から落ちました。おじいちゃんには「柿の木は折れやすいから登るな」と言われてたんですけどね…。言われただけでは納得しないんですよね(笑)
まさに、体で学ぶ本能センターのお手本!
注意喚起よりも落下体験のほうが説得力バツグン。
タイプ9らしい「まあなんとかなるっしょ精神」が、見事に(文字通り)地に落ちた瞬間でした。
感情センター(タイプ2・3・4):「感覚で学ぶ」タイプ
このセンターの人は、イメージや感情を通して学ぶのが得意です。
たとえばスポーツであれば、「こう動いたら気持ちよさそう」「このステップ、きっとこうつながる」と、感覚をイメージとして描くことで、実際の動きにつなげていきます。
感情と結びついた記憶の方が残りやすいので、「なんとなくこんな感じ」で覚えていることも多いんです。
タイプ4の方のコメント
私はイメージがしっくりきます。「チーズがとろけるように力を抜いて」とかね。
感覚にドラマがあるタイプ
理屈より、しっくりくる脳内イメージが大事。頭ではなく、体が「うんうん、そうそう」って納得して動く感じ。
このタイプの人、説明よりもピンとくるイメージの方が刺さります。
思考センター(タイプ5・6・7):「理屈で学ぶ」タイプ
このセンターの人は、理論や構造を理解してからでないと動きにくいタイプです。
スポーツの例で言えば、「なぜこの筋肉を使うのか?」「この動きの目的は?」といったことを知って初めて、安心して実践に移れます。
全体像をつかんだり、順序立てて整理したりするのが得意。「意味がわかると覚えられる」タイプとも言えるかもしれません。
タイプ5の方のコメント
運動神経がいい人は、見ただけで同じ動きができるんでしょうけど、私は無理です。左足を前に出す、右足は引く…というように、動きを言語化してから体に指示を出します。
身体を動かす論理系スタイル
「まずは脳内に説明書を作成、そのあとで実行」という、まさに思考センターらしい学び方。エクササイズをするなら、動きの意味や筋肉の仕組みを調べたい。
この違いを知っていると、「どうやって教えたら伝わるか」や「自分がなぜこの方法だとやりやすいのか」がぐっとわかりやすくなります。
気質と脳はつながっている?
ここまで見てきたように、エニアグラムのセンターごとに学び方が異なり、それは活性化しやすい脳の機能と関係があることがわかってきました。
本能センター(8・9・1)
- 学び方:体で覚える、反復重視
- 関係する脳の領域:脳幹、扁桃体、前頭前野(一部)
「脳幹」や「扁桃体」は生存本能に関わる部分。危機に素早く反応する「戦う・逃げる・固まる」も担います。「前頭前野」の一部は直感的な判断をすぐに行動に移す力を発揮します。
感情センター(2・3・4)
- 学び方:イメージや感情と結びつけて学ぶ
- 関係する脳の領域:扁桃体、内側前頭前野
中心は「扁桃体」などの大脳辺縁系。感情や記憶、対人関係への反応に強く関係します。「内側前頭前野」は共感力や自己認識力を支えてくれています。
思考センター(5・6・7)
- 学び方:理論や意味を理解してから動く
- 関係する脳の領域:前頭前野、側頭葉皮質
メインで活性化されるのは「前頭前野」。論理的思考や計画、分析などを担当しています。「側頭葉皮質」は言語や記憶を使って情報を統合し、理解を深めていきます。
活性化しやすい脳の部位に違いがあるならば、学び方に違いが出るのも当然。私たちは見た目以上の違いを内側に秘めているのでしょうね。
さいごに | あなたはどの学び方にピンときますか?
自分がどのセンター寄りなのかを知ることで、学び方のクセや自分の強みにも気づくことができます。
また、周りの人が違う学び方をしていても、「なるほど、そのタイプね」と理解できると、人間関係もスムーズになりますよね。
エニアグラムは、こうした日常のちょっとした違和感や疑問にも、新しい見方を与えてくれるツールです。
この深い体系については、以下の記事でより詳しく解説しています。
基礎からじっくり知りたい方や、図形の意味、内面の動きについてもっと理解を深めたい方におすすめです。