その「大丈夫だよ」は、本当にあなたの言葉?
ふとしたときに、誰かの困りごとに気づいて、そっと手を差し伸べる。
頼まれていないのに、気がつくと手伝っていた。
「ありがとう」の言葉が聞けると、心があたたかくなる。
そんなふうに、誰かの役に立てることが喜びだと感じるなら、あなたはエニアグラム・タイプ2かもしれません。
※ 冒頭のイメージ画像は、タイプ2の気質を象徴的に表したものです。職業や肩書きにかかわらず、誰もがどのタイプにも当てはまる可能性があります。
「自分より誰か」になりすぎて、すこし苦しい
タイプ2は、「誰かのために生きたい」と思う気持ちがとても強い人。相手の心の動きに敏感で、「今、助けが必要かも」と自然に察して動ける優しさを持っています。
でも、その分、自分のことを後回しにしていないでしょうか?
- 役に立つことで、自分の存在価値を感じている
- 「ありがとう」がないと、どこかで虚しさが残る
- 「迷惑かな」と思って言いたいことを我慢してしまう
- ひとりになったとき、どっと疲れを感じる
あなたの優しさの奥には、「愛されたい」「つながっていたい」という、切実な願いがあるのかもしれません。
タイプ2の気質とは?
基本的な特徴
タイプ2の特徴を、もう少しだけ具体的に見てみましょう。
- 人の気持ちに寄り添う
人が何を感じているのかを察する力に長けている - 助けずにはいられない
誰かが困っていると、自分のことのように感じる - 感情の交流を大切にする
温かい関係性の中でこそ、自分らしくいられる - 自分の欲求を抑えがち
「大丈夫」「気にしてない」が口癖。でも本当は…
心の奥にある「恐れ」
タイプ2の人が心の深いところで恐れているのは、「自分が必要とされないのではないか」という感覚です。
それは、誰かに愛されていない、見捨てられてしまうかもしれないという不安として表れます。
「役に立たなければ愛されない」「優しさを与えなければ存在価値がない」といった思いが、心の奥底に静かに根を張っています。
行動を促す「動機」
タイプ2の原動力は、「人の役に立ちたい」「人を喜ばせたい」という温かな願いです。誰かの気持ちに寄り添い、力になりたいという思いから、自然と人のニーズを察知し、惜しみなくサポートしようとします。
それは、ただ「感謝されたい」「好かれたい」からではありません。
もっと深いところに、「人と人をつなげたい」「愛のある世界を築きたい」という、深い共感と献身の想いがあるのです。
日常の「焦点」と「行動パターン」
タイプ2の人は、つねに「誰が何を求めているか」「誰が困っているか」に意識が向きます。相手のちょっとした変化にも敏感で、必要とされる前から手を差し伸べようとします。
そのため、面倒見がよく、頼まれごとにも快く応じる一方で、「自分のことは後回し」にしがちな傾向も。
「助けたい」「喜ばせたい」が強すぎると、無理をしてしまい、自分のニーズに気づきにくくなることもあります。
タイプ2の強みと可能性
タイプ2は、「つなげる力」の持ち主。
人と人、心と心の間にあたたかな橋をかける、調和の名手です。
- そっと寄り添い、相手の心をあたためる力
- 人の変化や感情にいち早く気づける感受性
- 「人と人をつなぐ」調整力と包容力
あなたの人を想う力は、そのままで素晴らしい価値です。それは、誰かの心を癒し、関係を育て、世界をまるくつないでいく力。
だからこそ、与えることと同じくらいに、受け取ることにも、優しさを向けていいのです。
他タイプとの違いで見える、タイプ2らしさ
エニアグラムの面白さは「違いを知ることで、自分の輪郭がくっきりする」ところにあります。 他のタイプとの違いを知ることで、タイプ2のあなたの強みや癖が、より浮き彫りになるでしょう。
たとえば…
タイプ5は、思いよりも論理を重視しますが、タイプ2は感情に重きを置き、他人への配慮を忘れません。
タイプ8は、思ったことを率直に伝えることにためらいがありませんが、タイプ2は相手の気持ちを考えるあまり、NOと言われるとつい落ち込んでしまうこともあります。
タイプ4は、自分の感情や表現を優先しますが、タイプ2は相手の感情に敏感で、細やかな気配りによって人に安心感と温もりを届ける存在です。
「こんなふうに人と関わってもいいのかも」と思えたとき、あなた自身の気持ちも、もっと自由にのびのびと動き出すかもしれません。
まとめ
タイプ2のキーワード
恐れ | 必要とされなくなること、愛されないこと |
欲求 | 愛されること、他者とのつながり |
焦点 | 他人のニーズ、感情、困りごと |
戦略 | 助ける・尽くすことで人からの好意を得ようとする |
強み | 思いやり、共感力、温かい人間関係を築く力 |
落とし穴 | 過干渉、自己犠牲、感情的な依存、無意識の見返り要求 |
タイプ2かな?と思ったあなたへ
誰かの役に立てると、嬉しくて、満たされた気持ちになる。
でもふと、気づかれない寂しさや、「私は大丈夫」と言い続ける無理の中にいる自分に気づくこと、ありませんか?
タイプ2のあなたは、思いやり深く、温かい心を持つ人。
その優しさは、人を癒し、つながりを育てる力を持っています。
でも同時に、「求められること」や「感謝されること」が、自分の存在価値になってしまいやすい繊細さも持ち合わせています。
ほんの少し立ち止まって、自分の気持ちにも耳を傾けてみませんか?
誰かを大切にするように、自分を大切にすることも、あなたの愛のかたちです。「与える」だけでなく「受け取る」ことも、関係を深める豊かな一歩になります。
あなたがあなたらしくいられるためのヒントを、エニアグラムの視点から一緒に見つけていけたら嬉しいです。