経営やマネジメントの現場では、部下やチームメンバーとの関係性が常に問われます。一方で、私自身も「人を育てる」もうひとつの現場として、日々、子育てと向き合っています。
今回ご紹介するのは、3歳になるわが娘との日常。エニアグラムでいう「タイプ2(心を配る人)」らしさが全開で、「好き!」の気持ちが全力で暴走する毎日です。
経営者・管理職の皆さんへ──少し肩の力を抜いて、実生活のリアルな「甘えと愛のぶつかり稽古」を、エニアグラムの視点からご一緒にのぞいてみませんか?
【番外編コラム】子育てとエニアグラム
うちの娘、3歳。
エニアグラムでいうと「タイプ2(心を配る人)」らしさが満開です。
優しいし、気がつくし、人の表情をよく見てる。
…でもそのぶん、「好き」のパワーがすごい。物理的にもすごい。
顔に顔をぐりぐり押しつけてきたり、テンションが上がるとバシンと叩いてきたり。
こっちは「イタッ!」となるのに、本人はケタケタ笑ってたりする。
そしてこちらが痛がると、
「ママがおこった〜〜〜〜!!」と逆ギレして泣くんです。
……いやいや、叩いたのはそっちでは??(笑)
愛が暴走するタイプ2の子どもたち
エニアグラムでタイプ2は、「人を助けたい」「愛されたい」タイプ。
特に幼少期はその欲求がピュアすぎて、「好き」の気持ちがそのまま暴走モードに入ることがあります。
タイプ2の子どもは、こんな特徴があります:
つまり、親にだけ全力でぶつかってくる=信頼の証でもあるんです。
でも現実としては、
「えっ…なにこの暴力と甘えが混ざった謎のテンション…?」
と、親のこちらはヘトヘトになりますよね。
わが家の「愛の暴走エピソード」3選
エピソード①:顔面ぐりぐりの愛情表現
娘が大好きなときにしてくるのが、「顔面での愛のタックル」。
こちらの頬やおでこに、自分の顔をぐりぐり押しつけてきます。
しかも満面の笑みで「だいすき〜〜〜!!!」。
これ、冷静にされると結構痛いし、息できません(笑)。
でも本人はスキンシップのつもり。
「今、愛を伝えてるの!」という気持ちでいっぱいなんです。
タイプ2の子にとっては、「気持ちを直接ぶつける」ことが愛情表現。
まだ言葉でうまく表せないぶん、体ごとぶつかってくるのかもしれません。
エピソード②:テンションが上がると突然バシン!
「面白い!」とテンションが上がると、突然思い切り顔を叩いてくる。
しかもケタケタ笑いながら。「ママ、おもしろーい!!!」って。
いや、こっちは笑ってない。痛いんだってば(笑)。
興味深いのは、こういうことは親にしかやらないこと。
保育園の友達には絶対やりません。
これも、安心しているからこそなんでしょうね。
「叩いたらどうなるか」を試す実験台として親が選ばれているともいえます。
(やめてくれ)
エピソード③:こちらが怒ると「ママがおこったー!!」
叩かれて「痛い!」と真顔で言うと、
急に涙目で「ママがおこったー!!!」と大騒ぎ。
え、なんで被害者が加害者みたいな空気になってるの??(笑)
タイプ2は、怒られたり拒否されたりすると、「自分の存在をまるごと否定された」と感じやすい傾向があります。
だから、自分の行動を注意されただけでも、
「ママに嫌われた!受け入れてもらえなかった!」と傷ついてしまう。
それがあの「大泣き・逆ギレ・自己防衛モード」につながるんですね。
「じゃあ、どう対応すればいいの?」私なりのコツ
タイプ2の子どもって、本当に感情が豊か。
でもそのぶん、甘えや愛情がヒートアップすると、ちょっと手に負えなくなることもあります。
「このまま何でもアリにしてたらヤバいんじゃ…」
「でも、叱ると泣くし逆ギレされるし…」
そんな中で、私が試してみて効果があったちょっとした対応の工夫をシェアします。
コツ①:「気持ち」への共感を先に伝える
暴走モードのときでも、まずは「嬉しかったんだね」「だいすきって言いたかったんだね」と気持ちを言葉にして返すようにしています。
本人としては、叩いたりぐりぐりしたのも「愛情表現」のつもり。
そこをいきなり否定されると、「自分ごと拒否された」と感じやすいんですよね。
だからまずは、伝えたかった気持ちをキャッチしてあげる。
それだけで、ちょっと落ち着いてくれることがあります。
コツ②:「痛いけど、嫌いじゃないよ」と明確に言う
タイプ2は、「愛されてる」という確信がないと不安になります。
「ママは怒ったけど、あなたのことは大好き」は明確に伝えた方がいいタイプです。
「叩かれるのはイヤ。でも、あなたのことは大事だよ」
と、行動と存在をちゃんと分けて伝えると、納得してくれることが増えました。
コツ③:「愛情の伝え方」を具体的に教えていく
タイプ2の子って、気持ちはあるけど、うまく伝えられないことが多いです。
だから、「こうするともっと伝わるよ」って具体的に教えるとすごく覚えてくれます。
うちではたとえば:
…というように、OKな愛情表現のバリエーションを一緒に探しています。
この辺を意識するようになってから、
「ママ怒ったー!!(大号泣)」の頻度がちょっと減りました。
もちろんうまくいかない日もあるけど、
「この子なりの好きの表現なんだな」と思えると、気持ちにも余裕が出ます。
まとめ:「しんどさ」と「愛しさ」は、いつも表裏一体
タイプ2の子育てって、愛が濃いぶん、暴走も濃い。
甘えてきたと思ったら突然ひっぱたかれ、こちらが泣きたい気持ちになることもあります。
でもその奥にあるのは、「好きが止まらない」「気持ちを受け止めてほしい」っていう、この年齢ならではの一途すぎる愛情表現なんですよね。
大人みたいに適量がわからない。
だからこそ、全力でぶつかってくる。
「しんどいな」と思ったときこそ、「ここまで感情をぶつけてくれるのは、今だけかも」と思って、深呼吸してみています。
きっとこれから少しずつ、「愛されたい」「伝えたい」気持ちが、言葉や態度で穏やかに表現できるようになっていくはず。
その道のりを、できるだけ温かく見守っていけたらと思っています。
エニアグラム視点で子育てを見つめると、心が軽くなる
子育てにおける甘えや愛情表現は、職場における人間関係にも通じる奥深さがあります。
「この人、タイプ2かも?」と思い当たる大人が周囲にいる方も、どこか共通点を感じていただけるかもしれません。
タイプ2「やさしい子」の特徴と育て方のヒントはこちらです。
子どものタイプ解説やエニアグラムを子育てに活かすヒントをこちらにまとめています。